鉄スクーターと呼ばれる乗り物があります。
代表的なものは、この写真のイタリア製ベスパ。
見た目は可愛らしいスタイルなのですが、これがなかなかクセのあるバイクで、乗りこなすのは大変なのです。

まず、重い。
外装が鉄板なので当たり前ですが、国産のプラ外装のものに比べると変な重量感を感じてしまいます。
センタースタンドを上げて車体を前に押してみるとわかるのですが、バランスを取らないと倒してしまいそうになります。
理由はエンジンが右側に偏っていて重心が真ん中に無いので、意識してハンドルを持たないと右に大きく倒れ掛かるのです。
ま、実際には後輪が地面に常に接しているので、スタンドを上げなくてもエンジンスタートして発信すればそのままスタンドが跳ね上がり前に進むのではありますが。
でも、エンジンをかけないでの取り回しは非常にやりずらい。

さらに、こいつに食わせてあげる燃料はセルフの給油ホースからの直接給油はダメで、ガソリンジョッキにガソリンを移しそれに対比した分量の混合オイルをミキシングしてやらなければいけません。
いわば調理して食べさせてあげるという行為に近いものになります。

なんで、そんな不便な乗り物に乗るの?
と思う方がいらっしゃるでしょうが。
その、手のかかり様が逆にいいのです。
手の掛かるものほどかわいいという感じ?

オートバイを単なるな交通移動手段としてのマシーンと考えるのではなく、ペットなどと同じく対等にお付き合いいただく相手という捉え方。

オートバイは成長期にある国の乗り物というイメージがありますが、実は成熟期にある国のノスタルジックな乗り物でもあるのです。
手間をかけるほどに愛着が増してく。

言い換えれば、外的で物質的なものを追い求めるのではなく、内的な自分の心的満足感にフォーカスしていくという感じでしょうか。

自分でストーリーを積み重ねていくという過程が重要になります。

ちなみに、写真のベスパは125cc排気量のET3というもの。
ダブルシートをあえてシングルシートにとっ替えてます。
後ろには誰ものせてあげないという決意の表れなのか。
その心意気がすばらしい。

オードリーヘップバーンの映画「ローマの休日」のような甘っちょろいものではないのだと主張しているようで。

著者

fujise shigeru

オートバイが好きで、たまに小説を読んでます。 気が向いたら写真なんかを撮り、健康のために走ったりもしてます。 そんな雑多な日々をブログにアップしてます。 気が向いたら書くという感じですが、共感していただければ幸いです。

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